宇宙ステーションが折れかけた大パニック!犯人は「26年遅れてきた大暴走」と「まさかのガス欠」!?
なんだか物騒なタイトルですが、安心してください。この話、最後はちょっと拍子抜けするくらい平和に終わります。

ぜひ、最後にご紹介しているJAXAやNASAのリンクから確認してみて下さい!
本体である宇宙ステーション(ISS)にガチッと合体した瞬間、後ろからものすごいアクセル全開で押し始める新たなる実験棟(ナウカ)と、冷や汗を流しながら「止まれえええ!」と必死にブレーキを願う宇宙飛行士。——駐車場でアクセルとブレーキを踏み間違えたような、笑えないのに笑ってしまうシーンです。
そもそも何が起きたの?
1995年の開発開始から実に26年。ようやく国際宇宙ステーションに合体できたロシアの実験棟「ナウカ」。ところが合体成功の喜びもつかの間、なぜかナウカ自身が突然エンジンを逆噴射させて暴走を始めてしまいます。ステーションが45度も傾き、通信も11分間途絶えるという緊迫の中、宇宙飛行士たちは脱出の準備まで進めていました。
この絶体絶命のピンチを救ったのは、精密なシステム制御ではなく、まさかの「燃料切れ」というなんとも人間くさい結末でした。
このあたりの生々しい臨場感は、文章だけではお伝えしきれません。ぜひポッドキャストの音声で、当時の空気感ごと味わってみてください。
宇宙ステーションやナウカに興味をもっていただけたら気になるところだけパチパチっと開いて読んでみてください。
① 完成しないまま作られ続けた「宇宙のサグラダ・ファミリア」
ナウカの開発がスタートしたのは1995年。本来ならもっとずっと早くISSに合体しているはずでした。ところがロシアの財政難や、配管の中にゴミが見つかるといったトラブルが次から次へと発生し、延期また延期。
気づけば26年という歳月が流れ、研究者たちからは「完成しないまま作り続けられる建築物」になぞらえて「宇宙のサグラダ・ファミリア」と呼ばれるようになっていました。ようやくドッキングにこぎつけたときは、関係者にとって感涙もののニュースだったはずです。
② 「駐車場でアクセル全開」レベルの恐怖の7分間
問題が起きたのは、ドッキング完了からわずか7〜8分後。ナウカのスラスター(推進エンジン)が誤作動を起こし、逆噴射を始めてしまいます。
これがどれくらい危ないことかというと、ISSとナウカの結合部分(いわば「関節」)に、想定を超える膨大な力がかかり続けた状態です。一歩間違えれば、その関節がもたずにISSが破断——つまり空中分解し、ステーションそのものを放棄せざるを得なくなる可能性すらあった、まさに紙一重の大事件でした。ステーション全体は45度も傾き、地上との通信は11分間途絶え、宇宙飛行士たちは万が一に備えて地球へ脱出できるカプセルへの避難準備をリアルに進めていたそうです。
③ 11分間の静寂と、奇跡の“ガス欠”
異変に気づいた地上管制は、ナウカに対して繰り返し「止まれ」という信号を送り続けました。しかし、コントロールを失ったナウカはそれを聞き入れず、暴走は続きます。
そして、この大パニックに終止符を打ったのは——高度なシステムによる制御でも、地上からの必死の指令でもなく、ナウカの燃料が物理的に底を突いたことでした。エンジンが止まりたくて止まったのではなく、単純に「もう出すガスがなかった」から止まった。奇跡的で、少しだけ間抜けな生還劇です。
④ 知られざる宇宙のトイレ事情
ナウカには新型のトイレも搭載されていましたが、ISSのトイレは実は1ヶ月に1回のペースで故障するのが日常茶飯事なのだそうです。
無重力空間では、排泄物が便器からふわっと浮いて外に出てしまう大パニックが起きることもあります。そんなときは宇宙飛行士がゴム手袋をはめて、自らの手で捕まえて便器へ押し戻すこともあるのだとか。華やかな宇宙飛行士のイメージの裏にある、なんとも泥臭くて人間らしいホスピタリティですよね。
もっと知りたくなった方へ
今回ご紹介したエピソードの背景は、JAXAやNASAが運営する国際宇宙ステーション関連の公式サイトでも知ることができます。今回のような個別ニュースの記事ページではなく、ISS関連情報がまとまったサイトのトップページへのご案内になりますが、興味を持った方はぜひ覗いてみてください。
- JAXA公式サイト(ISS関連情報はサイト内で探せます)
- NASA公式サイト「International Space Station」
宇宙開発の歴史は、決して「綺麗な成功」だけの連続ではありません。むしろ、今回のナウカ事件のようなギリギリのトラブルと、それに対する泥臭い対処の積み重ねこそが、人類を一歩ずつ前に進めてきた原動力なんだと思うと、なんだか胸が熱くなりませんか。
それではまた、次のもっと知りたいでお会いしましょう。