太陽の「おなら」でスターリンク衛星40機が撃墜!?宇宙一デリケートな星のご機嫌の取り方
2022年、宇宙に打ち上げられたばかりの人工衛星が、たった数日で「40機」も消えてしまうという事件がありました。犯人は誰でもない、太陽の「おなら」です。今回はそんな、太陽の意外とわがままな一面に迫るお話です。

太陽が一発「おなら」をしただけで、人工衛星が40機も落っこちてしまいました。
ぷんすかご機嫌斜めな太陽が、頬をふくらませて「ボフッ」とおならを一発。その勢いに驚いた人工衛星たちが、あわてて宇宙空間でよろけながら落っこちていく——地球はその手前で、大きな透明ドーム(地磁気バリア)を広げて、なんとかガードしています。
宇宙一デリケートな星のご機嫌、ちゃんと把握しておかないと大変なことになりそうです。
そもそも何が起きているの?
太陽は常に「太陽風」と呼ばれるプラズマの粒を、秒速300〜800kmという猛スピードで吹き出し続けています。地球にはこれを防ぐ「地磁気」というバリアが備わっているので、普段は安心して過ごせています。
ところが、太陽表面に溜まった磁気エネルギーが急に解放される「太陽フレア」や、さらに100億トンものプラズマの雲がまるごと飛び出す「コロナ質量放出(CME)」が起きると話は別です。2022年には、この影響でスペースXが打ち上げたスターリンク衛星49機のうち、40機が落下・消失するという事件まで起きました。
この太陽のわがままなエピソード、文章より耳で聞くほうがきっと面白いです。ぜひポッドキャストの本編もタップして聴いてみてください。
ここから先は、もっと知りたい方向けの深掘りタイムです。気になるところだけパチパチっと開いて読んでみてください。
① 「おなら」と「実」で覚える、フレアとCMEの違い
太陽表面に溜まった磁気エネルギーが急激に解放され、ボフッと吹き出す現象が「太陽フレア」。番組内ではこれを、ちょっと品のない例えながら「おなら」になぞらえて解説していました。
そしてさらに厄介なのが、フレアと一緒に100億トンものプラズマの雲がまるごとドバッと飛び出してしまう「コロナ質量放出(CME)」。こちらは「実まで出ちゃった状態」と表現されていました。品はありませんが、この2つの違いが直感的に頭に入ってくる、なかなか秀逸な例え話です。
② ドラゴンボールの炎の輪、実は太陽フレアじゃなかった
アニメ『ドラゴンボール』のオープニング映像などで見かける、太陽の周りをぐるりと囲む炎——あれは実は「太陽フレア」ではなく、「プロミネンス」と呼ばれる別の現象です。
プロミネンスは、太陽の磁場によって一箇所にとどまりながら循環している炎で、地球に向かって飛んでくることはありません。一方のフレアは、磁気エネルギーが解放されて地球にまで影響を及ぼす爆発現象。見た目は似ていても、性質はまったく別物というわけです。
③ スターリンク40機撃墜は「リック・ドム全滅」超え!?
2022年2月、スペースXが打ち上げたスターリンク衛星49機のうち、なんと40機が太陽嵐の影響で落下・消失するという事件が起きました。打ち上げ直後の衛星がまだ低い軌道にいたところを、太陽のご機嫌斜めなタイミングと重なってしまったのです。
番組内では、これをガンダムのモビルスーツ「リック・ドム」12機全滅よりも多い被害だとアニメ好き同士で盛り上がる一幕もありました。最先端の宇宙ビジネスも、太陽のわがままの前では為す術がないという、なんとも人間くさい教訓です。
④ 空気清浄機のように地球を守る「地磁気」の正体
太陽から常に吹きつけている危険なプラズマの風(太陽風)から、私たちの暮らす地球を守ってくれているのが「地磁気」です。秒速300〜800kmというスピードで、1秒間に100万トンもの粒子を吹き出し続ける太陽風を、地磁気はまるで空気清浄機のバリアのように地球ごとガードしています。
ただし、このバリアは完璧ではありません。磁場のわずかな隙間からこぼれ入ったプラズマが大気とぶつかり合うことで、あの美しい「オーロラ」が生まれます。地球を守る盾のほころびが、実は最高に幻想的な景色を作り出しているというのも面白いところです。
⑤ 樹木の年輪に刻まれた、1200年以上前の巨大太陽嵐
1859年に地球規模のパニックを引き起こした「キャリントンイベント」を記録したリチャード・キャリントンよりもさらに古く、西暦774年にも巨大な太陽活動があったことが分かっています。これは「三宅イベント」と呼ばれ、当時を生きた樹木の年輪に含まれる放射性炭素を分析することで発見されました。
太陽の活動は、およそ11年周期でピークを迎えることが分かっており、2025年はまさにそのピークにあたる年。番組内では、これを大物芸能人の「東京ドーム周年ライブ」の仕込みが始まるタイミングになぞらえて紹介されていました。1950年代にユージン・パーカーが太陽風の存在を予測し、1962年には探査機マリナー2号が実際にそれを観測するなど、人類は長い時間をかけてこの気まぐれな星の正体を追いかけ続けています。
もっと知りたい方へ
太陽の活動や宇宙天気について、さらに詳しく知りたい方は、以下の公式サイトもぜひ覗いてみてください。
太陽の「おなら」ひとつで人工衛星が40機も落ちてしまう時代。私たちの便利な暮らしは、実はこの気まぐれな星のご機嫌次第で成り立っているのかもしれません。次に夜空にオーロラを見かけたら、それは地球のバリアが頑張ってくれている証拠だと思って眺めてみてください。それでは、また次のもっと知りたいでお会いしましょう。
