1400度の太陽のすぐそばで、探査機の中身はまさかの「30度」でした
日傘一本で真夏の炎天下を歩けたら、それはもう魔法の日傘です。実はNASAには、それと似たようなことを本気でやっている探査機がいます。太陽シリーズもいよいよ今回で完結。今日は、太陽にとことん「直接触りにいく」お話です。

太陽の表面すぐそばは1400度。でも、探査機の中は涼しい30度でした。
ギラギラと燃え盛る太陽のすぐそばを、涼しい顔で日傘をさして歩いている小さな探査機。日傘の表側は真っ赤に焼けているのに、日傘の下でくつろぐ探査機本体だけは涼しい顔でティータイム——そんな、涼しすぎるくらいのギャップが漂う一コマです。
1400度の中を涼しい顔で進む探査機、ちょっと羨ましいくらいのタフさです。
そもそも何が起きているの?
NASAの探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」は、太陽からわずか約710万kmという、これまでにない近さまで直接突っ込んで観測を続けています。表面温度は1400度にも達しますが、特殊な炭素シールドのおかげで、シールドの裏側にある本体はなんと30℃程度に保たれているのです。
そして、こうした観測データは私たちの生活にもしっかり役立てられています。情報通信研究機構(NICT)などが、太陽フレアの発生状況を「宇宙天気予報」として毎日配信し、通信障害やGPSのバグを未然に防ぐ手助けをしているのです。
この太陽シリーズ最後のエピソード、文章より耳で聞くほうがきっと面白いです。ぜひポッドキャストの本編もタップして聴いてみてください。
太陽回ラストのもっと知りたいです。気になるところだけパチパチっと開いて読んでみてください。
① 「表面より上空が熱い」というお手上げの謎
太陽の表面温度はおよそ6,000度。ところが、その上空に広がる大気の層「コロナ」に達すると、なぜか温度は一気に約100万度まで跳ね上がってしまいます。ストーブから離れれば離れるほど熱くなっていくような、常識では説明のつかないこの現象は「コロナ加熱問題」と呼ばれ、世界中の科学者たちを悩ませ続けてきました。
この謎の解明に大きく貢献しているのが、日本の観測衛星「ひので」です。太陽表面の黒点を精密に観測することで、コロナがなぜこんなにも熱くなるのか、その手がかりを少しずつ明らかにしています。
② 地球はイケメン、太陽はブサイク?磁力線の乱れが引き起こす大事件
地球の磁力線は、北極と南極を結んで綺麗に整った形をしています。ところが太陽の磁力線は、黒点ごとにN極とS極があちこちに乱立し、ぐちゃぐちゃに入り組んだ状態なのです。
この乱れた磁力線には、膨大なエネルギーが溜まっていきます。そのエネルギーが限界を迎えて一気に解放されると、太陽フレア(いわゆる「おなら」)や、さらに大量のプラズマが噴き出すコロナ質量放出(CME、「実が出る状態」)といった大事件が引き起こされます。整った地球と、ちょっと乱れ気味な太陽。この違いが、宇宙の大きなドラマの引き金になっているのです。
③ 太陽フレアの「激辛レベル」!Xクラスの恐ろしさ
太陽フレアには、辛さレベルのようにクラス分けがされています。中でも最強クラスの「Xクラス」は、現代社会に大きな影響を及ぼしかねない存在です。過去には、1859年に起きた観測史上最大級のキャリントンイベント(X45相当)や、2003年にスウェーデンで大規模停電を引き起こしたフレア(X17)といった記録が残っています。
当時とは比べ物にならないほどスマートフォンや送電網に依存している現代社会にとって、こうした巨大フレアは決して他人事ではありません。だからこそ、パーカー・ソーラー・プローブのような探査機による観測と、日々の宇宙天気予報が、私たちの生活を静かに支えてくれているのです。
もっと知りたい方へ
太陽の観測や宇宙天気予報について、さらに詳しく知りたい方は、以下の公式サイトもぜひ覗いてみてください。
宇宙誕生の一点の熱から、太陽の激ヤセ、光の17万年の旅、太陽フレアの脅威まで。全4回にわたってお届けしてきた太陽シリーズ、いかがでしたでしょうか。毎日当たり前のように見上げているあの星が、実はこんなにも謎とドラマに満ちていたなんて驚きですね。
日直のもっと知りたいメモ
パーカー・ソーラー・プローブや日の出という太陽の近くまで人の手は知佳ずいてることを知り私は感動しました。この距離でも直接見れない太陽の近くまで行ける日傘うらやましいですね
それでは、また次のもっと知りたいでお会いしましょう。
