科学のラジオRS 第111回【太陽のお話の前に、宇宙の始まりについて】

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宇宙はもともと「ひとつの点の熱」だった!?あなたの体も元をたどれば爆発した星のかけらです

138億年前、この宇宙にはまだ何もありませんでした。あったのは、想像を絶する「熱」だけ。その熱の一点から、今の私たちまでがつながっているとしたら、ちょっと信じられませんよね。今回はそんな、宇宙誕生から私たちの体までをまるっとつなぐ、壮大すぎるお話です。

あなたの体を作っている材料、元をたどれば「爆発した星のかけら」でした。

こんなイラストを想像しながら読んでみてください

暗い宇宙空間に、水素の粒がポツンポツンと浮かんでいます。それが少しずつ引き寄せ合って大きな塊になり、中心がどんどん熱くなって、ある瞬間「ピカーッ」と光り出す——まるで真っ暗な部屋に小さな豆電球が次々と灯っていくような、静かで壮大な誕生の瞬間です。

何もなかった宇宙に、最初の光が灯った瞬間。ちょっと想像するだけでも鳥肌ものです。

そもそも何が起きたの?

今の宇宙にある星も、地球も、私たちの体も、もとをたどれば138億年前の「たったひとつの点」から始まりました。当時そこにあったのは、物質ではなく、ただただ想像を絶する熱エネルギーだけ。それがアインシュタインの有名な公式「E=mc²」の力によって、「熱」から「物質(水素)」へと一瞬で姿を変えたのです。

そうして生まれた水素が集まって最初の星になり、その星の中心では、水素同士がぎゅっとくっついて別の元素に変わる「核融合」という反応が起き続けます。これが星の光と熱の正体です。そして星は、この核融合を重ねながら、少しずつ重い元素を作り出していくのです。

このスケールの大きい話、文章だけではもったいないです。ぜひポッドキャストの本編もタップして聴いてみてください。

ここから先は、もっと知りたい方向けの深掘りタイムです。気になるところだけパチパチっと開いて読んでみてください。

① アインシュタインの魔法「E=mc²」で、熱が物質に変わった瞬間

誕生したばかりの宇宙は、なんと10の31乗度という、数字を見てもピンとこないほどの超高温状態でした。何も「モノ」が存在しない、ただのエネルギーの塊だったのです。

ところが、その熱エネルギーは、アインシュタインの公式「E=mc²(エネルギー=質量×光速の2乗)」の力によって、なんと10のマイナス32乗秒という一瞬のうちに、初めての「物質の粒」である水素へと姿を変えました。何もなかったところから、突然モノが生まれる——これが、私たちの宇宙の本当のスタート地点だったのです。

② 1000万度で灯った、最初の星の物語

宇宙に生まれたばかりの水素は、最初は砂粒のようにバラバラと宇宙空間に散らばっていました。しかし、それぞれが引き合う重力によって少しずつ衝突し、集まり、やがて大きな塊を作っていきます。

その塊の中心部が1000万度という超高温に達した瞬間、水素同士がぎゅっとくっつく「核融合」が始まり、宇宙で最初の星(ファーストスター)がピカーッと輝きました。これが、夜空を彩る無数の星々のご先祖様です。星の中心では、この核融合によって水素がヘリウムへと生まれ変わり、それが星の光と熱のエネルギー源になっています。

③ 水素→ヘリウム→…→鉄。星は少しずつ「重い元素工場」になる

星の中心で水素がヘリウムに変わる核融合が進むと、今度はそのヘリウム同士がさらにくっついて、炭素や酸素といった、もう一段階重い元素が作られていきます。星は年齢を重ねるごとに、こうして少しずつ重い元素を積み上げていく「元素の工場」のような存在なのです。

この核融合の連鎖は、やがて「鉄」にたどり着いたところでストップします。鉄は宇宙で最も安定した元素で、これ以上核融合を続けてもエネルギーを生み出せなくなるためです。つまり、水素から始まった星の一生は、最終的に鉄を作り出したところで一区切りを迎えるというわけです。

④ あなたの37兆個の細胞、もともとは「爆発した星の成分」でした

核融合によって鉄までたどり着いた星は、最後に大きな爆発(超新星爆発)を起こし、それまで自分の中に蓄えてきたさまざまな元素を、一気に宇宙空間へとばらまきます。

この爆発で飛び散った元素の中には、ガスや塵となって漂い、再び集まって新しい星や惑星を作るものもあります。地球もそうやって生まれた惑星のひとつです。そして巡り巡って、今、私たちの体を構成する37兆個の細胞の材料にもなっているのです。骨や血液の一粒一粒が、はるか昔にどこかの星が最後に放った「置き土産」だと思うと、宇宙が急に身近に感じられてきませんか。

もっと知りたい方へ

宇宙や星の誕生についてさらに詳しく知りたい方は、以下の公式サイトもぜひ覗いてみてください。

138億年前のたったひとつの熱の点から、星が生まれ、水素からヘリウム、そして鉄へと元素が育ち、最後の爆発でばらまかれた成分が今のあなたの体を作っている。壮大すぎて実感が湧きにくい話ですが、今日鏡を見るときは、ちょっとだけ宇宙とのつながりを感じてみてください。

日直のもっと知りたいメモ

実は、記事を書いていて自分でも「あれ、宇宙最初の物質って本当に水素だけだったのかな?」と気になって、ちょっと調べてみました。

どうやら厳密には、宇宙が生まれてから数分〜20分くらいの間に、水素だけじゃなくヘリウムもほぼ同時に作られていたようです。クォークという小さな粒がまず陽子や中性子になって、それが水素の材料になったのですが、その直後にヘリウムの原子核も一緒にできていたみたいです。ちなみに、ごく微量ですがリチウムという元素もこのタイミングでできていたようです。

記事では分かりやすさを優先して「まず水素が生まれた」とシンプルに書きましたが、本当はもう少し複雑で、水素とヘリウムが「双子」みたいにほぼ同時に誕生していたようです。

周期表の話(232~235回)でも、もっと知れます!

別サイトになりますが、周期表で検索すると世界がどやって構成されているのかが少しわかる気がします.

げんそ博士の元素周期表スペシャルサイト(タップ)

それでは、また次のもっと知りたいでお会いしましょう。

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